「汚物風船」の中身から見える北朝鮮の生活レベル…なぜ人間の排泄物ではなかった?識者分析

公開日: 更新日:

 気になる「汚物」の中身だが、紙クズや動物の糞尿などで、人間の排泄物は確認されていない。コリア・レポート編集長の辺真一氏は「風船の中身が北朝鮮の生活レベルを表している」と、こう分析する。

「北朝鮮の農村などでは、人間の糞尿はまだまだ大切な肥料。集団農場から家畜の糞尿を徴集したのでしょう」

 韓国との経済格差が広がる中、北朝鮮にとって人糞は貴重な資源。韓国側に渡すわけにいかないのだろう。汚物風船を飛ばすとはバカげた作戦にも思えるが、過熱する半島情勢を考えれば、笑ってばかりもいられない。

「米韓合同軍事演習が活発に行われ、対抗するように北朝鮮もミサイル発射実験を次々に実施。2国間の緊張は非常に高まっています。ミサイルに比べたらまだ可愛い方ですが、『次は生物兵器を風船に載せることもできる』と暗にバイオテロをにおわせ、心理的にも牽制しています。汚物の回収には軍隊が出動し、韓国側に混乱と不安をもたらした。北朝鮮にとって成果は上々でしょう」(辺真一氏)

 朝鮮戦争の休戦協定が結ばれてから来月で71年。積年の“においのもと”が取り除かれるのを祈るばかりだ。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い