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重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

福井県敦賀市を断ち切る「2つの断層」とは…北陸新幹線延伸計画はどうなる?

公開日: 更新日:

「この街には今2つの断層が折り重なっている」。市関係者の一人はこう嘆息する。

 福井県敦賀市──。JR東京駅から富山、金沢を経て西進してきた北陸新幹線の鉄路はここ敦賀で断ち切られる。これが1つ目の断層だ。

 無論、在来線とは接続している。ただ観光振興の要とされる「回遊性」を踏まえれば、そのインフラを担うべき新幹線が途中で「寸断」されているような現状は「憂うる事態」(地元財界筋)だろう。首都直下地震など有事における東海道新幹線の代替動脈確保など国家・経済安全保障の面からも無視できないリスクだ。

 そして2つ目は本物の断層だ。敦賀原子力発電所2号機の北側300メートルにある「K断層」から原子炉建屋の真下に潜む地層の割れ目へと連なる断層で、原子力規制委員会はこれを「活断層である疑いを否定できない」と判断。原発を運営する日本原子力発電(原電)が求めていた再稼働に対して先週、「不合格」の決定を下した。

 北陸新幹線の延伸計画はある。敦賀からひとまず同県の小浜市まで延長。そこから南下させ、京都を経て新大阪に至るルートで、JR桂川駅の地下に新(京都)駅を設置するプランを含め3案が俎上に上がっている。

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