著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

福井県敦賀市を断ち切る「2つの断層」とは…北陸新幹線延伸計画はどうなる?

公開日: 更新日:

 ところが国土交通省が8月中旬に与党のプロジェクトチーム(PT)に示した試算では16年度時点で2.1兆円としてきた建設費が物価上昇持続を加味した最大で2.5倍超の5.3兆円にも跳ね上がった。しかも従来15年としてきた工期は最長で28年になるという。PTではとりあえず25年度着工を目指すことで了承したものの、実現できたとしても全面開業は2050年以降。道筋は「はるか彼方にかすむ」(政府筋)。

 もう一つの断層がもたらす影響も甚大だ。「不合格」を受けて原電では再稼働の再申請に踏み切る構えだが、審査には数年かかるうえ、「(再申請しても)結論は変わらない」(規制委関係者)との見方が有力。「廃炉」が一気に現実味を帯びる。

 そうなれば再稼働を前提に原電が関西電力など電力大手3社から受け取っている電力供給契約に基づく基本料金収入はゼロとなる。敦賀原発だけでなく、会社の存続すら危うくなってこよう。716億円と目される廃炉費用も重荷だ。敦賀を覆う霧はしばらく晴れそうにない。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    若手社員に「残業キャンセル界隈」増加中だって? それなら管理職は“指導キャンセル界隈”で

  2. 2

    農水省は「生産量が需要を大幅に上回る」と…“コメ余り”予想でも新米価格が下がらないワケ

  3. 3

    「ダニ博士」に聞いた…マダニ感染症もクマ出没も生物と人間社会との距離の問題

  4. 4

    まだ暑いのに…季節外れのインフルエンザ猛威のなぜ? 全国の小中学校などで学級閉鎖相次ぐ異常事態

  5. 5

    大阪万博の目玉リング「市民公園」活用案に早くも漂うグダグダ感…コストは維持・管理含め約60億円

  1. 6

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  2. 7

    9月19日から運用開始「スマホ保険証」はほぼ無意味…医療機関や患者を惑わす数々の“落とし穴”も

  3. 8

    小林鷹之氏と旧統一教会のズブズブ…総裁選出馬会見で突っ込まれ“逃げ”のトーンダウン

  4. 9

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  5. 10

    婚活相手の「モラハラ」や「激昂」…それは本当に“地雷”? 相手の見抜き方とリスク回避

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    U18高校代表19人の全進路が判明!プロ志望は7人、投手3人は中大に内定、横浜高の4人は?

  2. 2

    「時代に挑んだ男」加納典明(43)500人斬り伝説「いざ…という時に相手マネジャー乱入、窓から飛び降り逃走した」

  3. 3

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  4. 4

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  5. 5

    《浜辺美波がどけよ》日テレ「24時間テレビ」永瀬廉が国技館に現れたのは番組終盤でモヤモヤの声

  1. 6

    沖縄尚学・末吉良丞の「直メジャー」実現へ米スカウトが虎視眈々…U18W杯きょう開幕

  2. 7

    世界陸上復活でも「やっぱりウザい」織田裕二と今田美桜スカスカコメントの絶妙バランス

  3. 8

    「24時間テレビ」大成功で日テレが背負った十字架…来年のチャリティーランナー人選が難航

  4. 9

    15年前に“茶髪&へそピアス”で話題だった美人陸上選手は39歳、2児のママ…「誹謗中傷もあって病んだことも」

  5. 10

    日本ハム新庄監督は来季続投する?球団周辺から聞こえた「意味深」な声