能登・白米千枚田は「地震以上の被害」…復旧半ばに“100年に1度”の豪雨が追い打ちかけた

公開日: 更新日:

「例年稲作の作業は3月ごろ始めますが、当時は白米町の住民も2次避難のさなか。ライフラインも開通しておらず、環境、人員ともに不足し、耕作を行える状況にはありませんでした。その中で関係各所と力を合わせ、農地の復旧、耕作者の作業、住環境を含めた調整・整備を行い、関係者と試行錯誤を重ね、手探り状態で復旧に当たっていた直後の豪雨被害でした」(同前)

 100年に1度とされる想定外の豪雨がもたらした被害は、直接的な棚田の崩落、水利施設がある近隣山地の土砂崩れ、さらには白米町にも直接的な被害があり、正確な被害の把握は「まだ終えていない」(同前)という。

「農地の復旧後も実際に田植えを行うと田の泥田化や水がたまらない、水温の変化による発育不良などが起きていました。(今回の豪雨被害は)白米千枚田・稲作といった観点で見ると、地震以上の被害になると思われます。住民の安全確保も終了していない状況であり、農地の復旧につきましては現時点では(関係各所と)協議などは行えていません」(同前)

 自然災害は約400年もの歴史をもいとも簡単に壊してしまうのか。復旧を切に願う。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    やす子は人間不信に…友人から借金を頼まれたら「さっさと貸して縁を切る」という新発想

  2. 2

    高島平団地タワマン建て替え計画に高齢住民が抱く不安…建築費高騰の影響は? 専門家が解説

  3. 3

    銚子漁港のイワシ水揚げ量は前年の1890倍!「黒潮大蛇行」が終息で食欲の秋は豊漁の予感

  4. 4

    クマだけじゃない危険動物たち…4年で7倍と国内で急増する「トモエガモ」がもたらす恐怖とは?

  5. 5

    血税が国民民主党の「ホテル代112万円」に消えた…“浮かれ不倫”玉木雄一郎代表に問われる説明責任

  1. 6

    小林鷹之氏と旧統一教会のズブズブ…総裁選出馬会見で突っ込まれ“逃げ”のトーンダウン

  2. 7

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  3. 8

    大阪万博の目玉リング「市民公園」活用案に早くも漂うグダグダ感…コストは維持・管理含め約60億円

  4. 9

    クマ出没でネット上は集団ヒステリー状態…ニホンオオカミを絶滅させた頃に似た嫌なムード

  5. 10

    静岡県伊東市“田久保劇場”震源地のナイトスポットで聞いたナマの声…「市民として恥ずかしい」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  3. 3

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  4. 4

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  5. 5

    ドジャース大谷が佐々木朗希への「痛烈な皮肉」を体現…耳の痛い“フォア・ザ・チーム”の発言も

  1. 6

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  2. 7

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  3. 8

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった

  4. 9

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い

  5. 10

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督