フロント係がトイレ掃除までこなす激務 仕事中は立ち詰めで腰痛が深刻化

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「こういうときに年長者の貫禄が発揮されるのです。4人の社員はこのホテルしか知らない。一方、私は複数の企業で管理職を経験した。サービス業のベテランという風格を見せつけることが重要です」

 マニュアル問題は決着したものの、もうひとつ内藤さんを苦しめるものがある。トイレの掃除だ。客室の清掃は専門の女性スタッフが担当しているが、館内の共同トイレの清掃員はいない。その作業がのしかかってくる。

「コロナの蔓延以来、中堅ホテルが抱える共通の問題です。経営改革の名目で清掃員を減らしたため、フロント係が便所掃除をやることになった。夏場はネクタイを外し、汗だくになって便器を磨きます。便より厄介なのが酔っぱらいのゲロ。便器の外にぶちまけていることが多いのです」

 仕事中ずっと立ちづめなのもこたえる。背筋を伸ばして立ち、腰を60度に折ってお辞儀をする。カウンターの下から書類を取り出す。こうした動作のせいで腰痛が深刻化。勤務が終わるたびに40分3000円のマッサージを受けている。


「30代、40代の社員も『腰が痛い』と嘆いています。腰痛はフロントマンの宿命のようです」

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