備蓄米「残り10万トン」で拭えない大災害時の不安…追加放出の背景には財務省の“提言”が?
■7月5日の噂を気象庁長官がデマと一蹴も
くしくも、11年の東日本大震災を予言したといわれる、たつき諒氏の漫画「私が見た未来 完全版」(飛鳥新社)の影響で今年7月5日に大災害が日本を襲うという噂が海外にも広まり、気象庁長官がこの流言を「デマ」と否定する事態に。
だが実際、南海トラフ地震や首都直下型地震の発生確率が高まっているのは間違いないだろう。
東日本大震災時に放出したコメは4万トン程度であることから、小泉農相は緊急時でも問題ないとしているものの、起こりうる2つの大地震や火山噴火、大規模水害などが発生した場合、被害は東日本大震災を上回るとされる。備蓄米在庫の放出には別の思惑も囁かれているという。
「昨年11月の財務省の財政制度等審議会で提言されたのが、政府輸入米である77万トンのミニマムアクセス米の活用です。大地震など緊急時に輸入米を備蓄米に回すほか、農家への補助金を減らして農業の効率化や農地の集約化などが話し合われましたが、今の備蓄米放出の動きはこの提言に沿っているとみえなくもありません」(常本泰志氏)