武庫川女子大の共学化に在校生&保護者から「裏切られた」などと不安の声…慰謝料は取れる? 弁護士に聞いた
「大学側にも、定員が集まらないなどの経営的な事情で、男子学生を受け入れて存続を図るという現実的な事情もあるでしょう。しかし、生徒や保護者の女子大への期待は保護しなければなりません。どう折り合いをつけるかが問題です」
山口氏は、大学側が事前に将来的な方針変更の可能性について説明しているか否かが争点になり得ると、こう指摘する。
「『海が見える』と宣伝されていたマンションの前に、急にビルが建って景観が損なわれた――というようなケースと似ている部分があります。『違うじゃないか』となるのも無理はないです」
訴訟になれば民事裁判で損害賠償請求という形になる。「高額は望めませんが、解決には結局お金しかないですね」と山口氏。訴訟に至らなくても、大学による在学生へのケアは必要だとし、たとえば他の女子大への転学・編入支援などもひとつの選択肢になるとした。
さらに「在校生が卒業するまでは、形だけでも女子大としての体裁を維持するのが望ましい」とし、「女子だけのクラス編成を維持する、建物を分けて男子と女子を別にする、安全面への配慮として警備体制を強化する」などの対応を提案した。