2割値上げしてもまだ安い!「げんき水産」の華鉄火丼に専門店の意地

公開日: 更新日:

げんき水産(大阪・野田)

 廃業の危機を救ったのは、常連客の後押しだった。「店の再開はいつになるんや」「おたくのマグロ、食べたいんや」「何なら値上げしてもエエんやで」。こうした声に社長の木村元貴さん(28)は、ついに自らの信念を曲げる。

 話は昨年12月にさかのぼる。木村さんは突然、店の臨時休業を決断した。理由は、漁獲量の制限などで仕入れるマグロが高騰して採算が合わなくなり、いっそ店を畳もうかと考えるほど悩んでいたのだ。

「マグロはおいしいけど高い。イクラ、ウニなど高級食材の仲間入りですよ。ボクは身近な魚として安く食べてもらおうと3年前に起業した。仕入れ価格が上がったから値上げするのはボクのビジョンとは違う。でも、お客の訴えを聞いて、もうやらな仕方がなかった」

 苦慮すること6カ月。今年6月中旬に全国2位の取扱高を誇る大阪市中央卸売市場本場内に移転し、営業を再開した。苦渋の思いで価格は以前より2割ほど上げた。それでもまだ安いから客は大喜びだ。

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