宇和島市立簡野道明記念吉田町図書館(愛媛県)江戸と今とをつなぐ「城」
シーズンごとにさまざまな展示を企画
鉄筋コンクリート造り3階建てで、利用者が入れる1階と2階はいずれも約370平方メートル。それぞれ小学校の教室6個分ほどと、広々した空間だ。
2018年7月の豪雨で半地下の1階が浸水し、蔵書のおよそ半数を失った教訓から、1階は自習席や新聞コーナーのほか、豪雨災害の記録パネルを常設展示。約5万2000点の蔵書の大半を2階に集約している。
「建設当初から1階部分は危ないという認識があったのかもしれません。貴重な郷土資料はすべて3階の書庫に所蔵していたので、こちらの被害をゼロに抑えることができたのは不幸中の幸いでした」(渡辺さん)
「無事だった」という郷土資料は約6800点。目玉のひとつが、国の重要無形民俗文化財に指定された吉田秋祭りのお練り行事に関する巻物だ。江戸時代末期から伝承された絵巻物から、練り車や鹿踊り、牛鬼などを伴うお練り行事の姿を確認できる。祭礼が現在もほぼ同じ形で受け継がれている証拠となる資料で、毎年10月と11月に期間限定で展示されている。
「シーズンごとにさまざまな展示を企画しており、毎年12~3月に行う『地図展』にも力を入れています。吉田秋祭りと同様に、吉田町の『町割り』も江戸時代からほとんど変わっておらず、展示を見てびっくりされる方も多くいらっしゃいます。当館では古文書の古地図をもとにしたガイドマップを通年で配布していますので、ぜひそれを片手に町を歩いてみてください。当時の町の姿を自分の目と足で感じ取ることができるはずです。作家の故・司馬遼太郎先生が『街道をゆく』で描写した武家屋敷の通りも現存しており、その足元にある石組みの溝など、見どころがたくさんありますよ」(渡辺さん)
江戸時代から続く吉田の町並みが、図書館を起点に今へとつながっている。
●住所 愛媛県宇和島市吉田町立間尻甲1802-3(℡0895-52-3169)
●開館時間 午前9時半~午後6時、日曜は午前8時半~午後5時(休館日は月祝、月末館内整理日、蔵書点検期間、年末年始)
●アクセス JR予讃線伊予吉田駅から徒歩15分、またはバス停吉田町図書館前からすぐ


















