著者のコラム一覧
大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。

(24)青梅で鰻と酒を

公開日: 更新日:

 青梅駅にさしかかったときだけ、贅沢をした。鰻の老舗に入ったのだ。吉川英治、池波正太郎など、土地にゆかりのあった文士も来たという鰻屋さんである。

 10年ほど前の梅雨明けの頃だった。昼間は、民家の庭先に干されている梅を眺めたりしながら歩き、よく汗をかいた。夕刻のビールがうまい。肝焼きと枝豆が、うまい。

 地元の青梅の「澤乃井」の生酒をもらい、白焼きにした。肝焼き、白焼き、それから蒲焼。時間もかかるが、その間、ゆっくり飲む。これこそ鰻屋で酒を飲むときの大人の嗜みと、50代になった頃、初めて覚えたのだ。

 鰻屋で飲む。蕎麦屋で飲んだり、寿司屋で飲んだり、大衆食堂や居酒屋で飲むばかりだった私にとって、時間の使い方という点でも、鰻屋で飲むことは、なかなかシブい愉しみだと感じられた。

 ワサビをのせた白焼きを一口やり、冷酒をぐびりとやる。このガラス瓶は、300㎖入りだろうか。ということは2合弱。ビールの後、白焼き1枚に合わせるには、量もぴったりだった。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が参院自民にイライラMAXで爆発寸前! 予算案の年度内成立断念で身内に八つ当たりの醜悪

  2. 2

    世界陸上マラソンで金メダル谷口浩美さんは年金もらい、炊事洗濯の私生活。通学路の旗振り当番も日課に

  3. 3

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  4. 4

    武豊プロミストジーンを勝利に導く「第3回兵庫女王盃(JpnⅢ)」~園田競馬

  5. 5

    地方での「高市効果」に限界か…東京・清瀬市長選で自民現職が共産候補に敗れる衝撃

  1. 6

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  2. 7

    第2子妊娠の倖田來未が18年前の“羊水発言”蒸し返されるお気の毒…SNSには「擦られすぎ」と同情の声

  3. 8

    ナフサ供給に暗雲で迫る医療危機…それでも高市政権「患者不安」置き去りの冷酷非情

  4. 9

    Wソックス村上宗隆にメジャーOB&米メディアが衝撃予想 「1年目にいきなり放出」の信憑性

  5. 10

    全国模試1位の長男が中学受験、結果は…“ゲッツ‼”ダンディ坂野さんに聞いた 子への接し方、協力の仕方