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島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

議論進まぬ女系天皇論 保守派の「皇位の継承は126代のわたって男系で継承されてきた」は事実に基づかない主張

公開日: 更新日:

 しかし、問題はそれだけではない。

 男系男子での皇位の継承に固執し、女性宮家の配偶者や子供を皇族にすることは、女系天皇への道を開くことになると懸念する保守派のなかに、皇位の継承は126代のわたって男系で継承されてきたと主張する人間たちがいることも大きな問題である。

 今上天皇は126代とされるが、それは神武天皇を初代の天皇としてのことである。それほど長く続いた王朝は世界に例を見ない。保守派はそこに日本の伝統の優越性があるととらえている。

 それは、江戸時代の国学者、本居宣長が唱えたことでもあるが、現代の歴史学の世界では、神武天皇が実在したとはまったく考えられていない。「古事記」や「日本書紀」といった神話にしか証拠が求められないからである。神話においても、「欠史八代」ということで、第2代の綏靖天皇から第9代の開化天皇まで8代の天皇が何をやったのか、具体的なことはまったく記されていない。これは、8代の天皇が実在しなかった可能性を示している。

 その後も、いったいどの天皇から実在したのかでは議論がある。少なくとも神武天皇から天皇の歴史がはじまるわけではないし、126代続いてきたという話は事実にもとづいていない。

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