(1)「警備員」って、こんなことまでやるんだっけ?
急いで現場に向かうと、フォークリフトの後輪が泥にはまってスリップして動けなくなっている。どうしたものかと少し考えて、近くにあった板をフォークリフトの後輪の下に挟み、現場にいた従業員と一緒にフォークリフトを何度か押し、泥の中からの脱出を成功させた。
作業をしながら、私は考えていた。
「俺、なんで、こんなことをやらされているんだろう? これって従業員たちでやればいいんじゃないの? 夜間1人しか勤務していない警備員をわざわざ呼び出してやらせることなの?」と。本来、警備員の仕事は万引防止や駐車場での事故の処理、迷子の捜索、具合が悪くなったお客さまの対応などに限定されるのではないだろうか。
だが、私が働いているこの施設では、掃除やショッピングカートの片付け、ちょっとした施設の修繕までが「警備」に含まれている。経費削減のためなのだろうが、設備のメンテナンスを行う「設備員」のような人が、この施設にはいない。そうした業務も警備員がやらなければならないのだ。
ここで警備員として働きはじめた頃、「なぜ、こんなことまでやらなければならないのか?」と感じていた私であったが、いまでは「仕事があるだけまし」「しょうがない」と諦めている。

















