(41)山梨の美酒を訪ねて
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「青煌」を造っている武の井酒造は創業1865年(慶応元年)の老舗蔵で、社長は6代目。社長の従弟の専務さんが杜氏を務めていた。当時はまだ30代。蔵で代々醸してきた「武の井」とは別に、新たな蔵の看板となる酒として「青煌」に取り組んでいた。
全盛期には3000石(1石は1升瓶で100本)を生産した蔵も、日本酒の消費が低迷する中で生産量を500石にまで縮小させていた。そんな環境下で若手杜氏は、ツルバラから分離した酵母を用いて酒造りに挑んだ。美山錦という米を使った純米酒と、雄町を用いた純米吟醸の2種に絞り、それぞれ2石(200升)を生産した。酒質の設計、酒造りの全工程、さらには貯蔵やラベル貼り、納品に至るまで、すべて1人でやり抜いた。仕込み水に用いる上質の水の青さと、山梨から世界に向けて煌めく酒を、という思いを込めて「青煌」と名付けた。八ヶ岳連峰の南麓、標高683メートルにある山の酒蔵は、わずか4石ながら、優しい飲み口の香り高い美酒を世に送り出した。
日ごろはただ飲むばかりで、酒造りの夢や苦労に思いの至らない私だが、蔵で若き杜氏の話を聞いて、大いに感動した。
















