(44)戸隠の蕎麦打ち旅
- 印刷
- >> バックナンバー
- 今だけ無料
信州戸隠高原へ蕎麦打ち体験に出かけたのは昨年の秋口のことだ。雑誌の取材で、カメラマンとの2人旅だった。
長野駅からカメラマンが運転してくれる車で30~40分ほどだったか。高原と名がついているだけに、戸隠に着くと涼しかった。
戸隠蕎麦は岩手のわんこ蕎麦、島根の出雲蕎麦と並んで日本三大蕎麦のひとつとされる。戸隠山は霊峰と呼ばれた険しい山で、平安時代、修験道の道場だった。彼らが山に入るとき蕎麦粉を携行していたのが戸隠と蕎麦のもっとも古い接点であるらしい。その後、江戸時代に天台宗の寺として多くの修行僧を迎え入れていたとき、江戸の寛永寺から蕎麦きりの技術が伝わり、蕎麦はもてなしの料理として発展したという。
訪ねたのは9月で、秋そばの花が咲いていた。可憐な花で、清楚でか弱い感じなのだが、実を殻なども少し混ぜながら挽くと、香ばしく野性味も感じさせる蕎麦になる。それがとても不思議だった。
















