漫画家・小林よしのりさん「この閉塞感を打破するには、愛子天皇の道しかない」

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小林よしのり(漫画家)

 目的は皇族数確保のはずが、皇位継承の男系堅持にすり替え、女性天皇を封じる騙し討ち。高市政権が駆け足で成立させた改正皇室典範に怒り心頭なのが、この人。「ゴーマニズム宣言」で知られる「保守」論客が、男系固執派の妄言を斬り捨て、長年の悲願「愛子天皇」実現を呼びかける。さあ、大いに「ゴーマン」かましてもらいます。

  ◇  ◇  ◇

■「一般人養子法」はネッシー探しの世界

 ──改正皇室典範の成立以降、高市政権の支持率が下がり続けています。

「愛子天皇」の完全排除に、なんちゅうことするんだと気付いた人々が怒っている。読売新聞の世論調査では再び法改正し、女性天皇容認に「賛成」が85%。高市早苗は「国論二分」と言うが、二分どころか、愛子天皇賛成が絶対多数で男系固執は少数派にすぎません。

 ──旧宮家系の15歳以上の男子を養子に迎える案に現実味はありますか。

 わしは20年前から言っているが、本当に該当者はいるんか? ネッシーやビッグフットを探すようなもんで雑誌「ムー」の世界だよ。思春期には、もう自分の将来を思い描き、わしも小学生の頃には漫画家になると決めていた。「今日から皇族になりなさい。基本的人権や自由を捨てて諦めろ。AVを見ることも許さん」と言われて、誰が名乗りを上げるのさ? 「ふざけんな!」と絶対に拒絶するよ。

 ──政府の「自由意思に基づく合意」は建前。必ず強制を伴いそうです。

 国民の大半が愛子天皇を望む中、いざ養子が現れたら猛バッシングの餌食です。今もSNSでは養子案に前向きな三笠宮家の彬子女王や妹の瑶子女王への批判がすさまじいが、その比じゃなくなる。

 ──小室さん騒動で懲りたはずなのに、高市政権がパンドラの箱を開けてしまった感じがします。

 大体、養子皇族の男子子孫に皇位継承権を与え、天皇に即位させても「世襲」と言えるのか? 皇位は「世襲」と定めた憲法2条にも反する。性別問わず「直系長子」に継がせるのが自然です。

 ──旧宮家系男子と男系天皇との血縁は室町時代までさかのぼり、今上天皇とは36~38親等もの隔たりがあります。

 そんな赤の他人に皇位を移し「男系継承」を死守しても国民は喜ばんよ。仮に彬子さまが養子を迎え、その子が「男系天皇」となるには600年以上前の系譜を頼るしかない。今上天皇との血縁の方がはるかに近いのに、女系を否定するから大きな矛盾が生じる。

 ──「旧宮家」といえど、80年も一般国民として暮らしてきた人々です。

 国民も「準皇族」だと思い込まされているが、わしらと変わらんよ。彼らの皇籍離脱は大正時代の「皇族降下準則」で既定路線。戦後にGHQが早めただけ。わしに「身分は同じだが、血統が違う」と言い放った竹田恒泰のようなレイシストに騙されたらイカン。

■平和憲法の実践者を嫌悪する「皇室破壊」

 ──男系に固執する限り、将来の妃は皆「男子を産まねば」という強烈な重圧にさらされます。

 そのストレスで雅子さまが苦しみ、適応障害を患ったのに、次世代の女性にも同じ不幸を味わわせるのか。秋篠宮さまが再び強調した通り、皇族も「生身の人間」です。

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