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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

【胃がん】切除対象だった未分化型が内視鏡で済む条件…日本の大規模調査で判明

公開日: 更新日:

 男女合わせた部位別罹患数で胃がんは10万人を超え、大腸、肺に次ぐ3位です。ポピュラーながんですが、早期発見なら5年生存率は9割超で比較的治りやすいがんといえます。しかし、組織学的に分けて未分化型は、悪性度が高いことが知られていて、5年を超えると転移や再発をしやすいため、これまで手術が行われてきました。その未分化型について画期的な調査結果が判明したのです。

 日本臨床腫瘍研究グループ消化器内視鏡グループなどは、未分化型早期胃がんに対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の有効性を調べる臨床試験を実施。登録された346人のうちESD後の病理診断で未分化型優位と診断された275人を約10.5年にわたって追跡した結果、ESD後の10年全生存率は96.2%、無再発生存率は95.7%でした。

 さらに治癒切除(ESDでがんを完全に切り取り、追加の手術が不要と判断された状態)の195人の再発、転移を調べると、10年間でわずか1人。追跡中に新たな胃がんが見つかった場合も多くは再度のESDで治療可能でした。

 この研究結果は、単に生存率の高さがすばらしいというだけではありません。従来は手術が必要と考えられていた未分化型胃がんでも、対象を厳しくチェックすれば胃を切らずに済む内視鏡治療で対応できることが、かなり強く裏づけられたのです。しかも、心配された転移や再発がほとんどありません。

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