「不敬罪」復活への一歩なのか? 旧宮家への誹謗中傷対策で浮上した名誉毀損罪改正の危うさ
戦前には、この不敬罪とともに「治安維持法」があった。治安維持法は、もともとは共産主義者や無政府主義者を取り締まるためのもので、最高刑は死刑だった。
そのため、政治犯だけではなく、特異な主張を展開した宗教団体の教祖なども不敬罪や治安維持法違反で弾圧を受けた。大正時代と昭和の前半に弾圧を受けた大本のことはよく知られている。他にも多くの宗教団体が不敬罪や治安維持法違反で取り締まりを受けた。
自民党の保守系議員の主張は、このうち不敬罪を復活させる動きとしてとらえられ、それを批判する声も高まっている。
旧宮家の人々の場合、養子に入って皇族になるまでの間は一般の国民であり、告訴はできる。むしろ、自分たちがまったく関与しないまま、養子案が成立してしまったわけだから、そちらの方が迷惑なはずである。
戦前に、不敬罪で起訴された場合、裁判は公開されず、秘密に行われた。もし裁判が公開されたとしたら、不敬とされる行為が明るみに出て、それがそのまま天皇や皇族などの尊厳を脅かす危険性があったからである。

















