セリナ
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セリナ

1987年、長野県出身。私立トップの有名大卒。デリヘル「ロボットデリヘル」所属。歌舞伎町ナンバーワン風俗嬢。子宮がんが肺とリンパ節に転移し、現在ステージ3を闘病中。

<15>誰かのために働き、居場所を見つける

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 それはとてもよくできたシステムだったと思う。 ホストクラブには「今月はいくら」という短期の目標があり、それを叶えてあげると、次に「何か月後にいくら」という先の目標が出て来て、「これは何か月継続したら昇進」というボーナスがもらえる。ミッションをクリアすればご褒美がもらえる。だから私も大好きなホストくんの出世とご褒美のために頑張っていた…わけではない。目的のために頑張るということ自体にハマっていたのだと思う。もともと婚約者の出世の為に家で尽くす生活を何年も続けていた私はその世界にズブズブとはまっていってしまう素養を十分に持っていたのだろう。

 それでも毎日同じ顔ぶれの女の子たちと稼いで、毎日飲みに行く。暇な日は仕事を切り上げて誰かの家に集まったりした。風俗の同僚を友達に数えていいのなら、人生で一番友達がいた。友達の家に行くのも、集団で飲み明かすのも、恋の話も、人生でほとんど初めてだった。タレントの坂口杏里さんがホスト通いの果てに3万円恐喝未遂容疑で逮捕されたニュースも記憶に新しいし、なんだかホスト狂いというと悲惨なイメージが纏わりつくけど、そんなに悲惨だとは思っていなかった。最終的にがんになっている、端からみたらそこそこ悲惨な私が言うのだから本当だ。

「誰かのため」と言いつつも、みんな本当は自分の居場所が欲しかっただけなのかもしれない。今はほとんど連絡を取ることもないけれど、あの時の「友達」とのちょっとだけ激しい思い出は今でも私の宝物だ。

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