新橋に展示された沈没船の10億円財宝はすべて贋作だった!

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【読み切りドキュメント 美術商の事件簿】(下)

「男のロマンですよね」

 この会場に私を誘った辻本という男が耳元で呟いた。辻本の話によると、ここに展示されている壺や宝石は約50点で、総額10億円以上。これまでに引き揚げられた財宝の一部だという。

 だが、展示品は売買が目的ではないようだ。

「ここにある財宝は、比較的浅瀬に沈んだ沈没船から回収したものなんですよ。でも南米エクアドル沖の深い海には、もっと大型の貨物船が沈んでいて、それを引き揚げれば、数十億円、いや、100億円を超える財宝が出てくるってんですよ」

 辻本が得意げに説明する。

「それは誰の説なの?」と私は聞いた。

「これですよ、この週刊誌を見てください。ここにほら、“凄腕トレジャーハンター”って紹介されているでしょう。このイギリスの有名な海洋考古学者が言ってるそうなんですよ」

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