4月の中古マンション成約率過去最悪 不動産買うならいつ?

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 政府の緊急事態宣言以降、不動産の取引が急減している。新築工事を中断するディベロッパーも相次いでおり、リーマン・ショックの不動産不況の再燃を危惧する声が高まっている。我々はいつ、どのタイミングで売り買いすべきなのか。

  ◇  ◇  ◇

 東日本レインズによると、東京の4月の「中古マンション成約件数」は812件で、前年同月比55・3%減。統計開始以来最悪の大幅減となった。

 成約価格も大幅に落ち込み、「東京都区部」の平方メートル単価は同1・6%減、「東京都多摩」が同2・9%減となった。

 また、首都圏の「中古戸建て」の成約件数も686件、同41・5%減となり、やはり過去最大の減少幅となっている。成約価格は「東京都区部」が5406万円から4801万円へ605万円の下落(同11・2%減)。「東京都多摩」も3096万円から2914万円へ182万円も安く(同5・9%減)なっている。

 中古マンション価格はその時々の株価や景気動向に敏感に影響される。一方、新築マンションは土地や建設費、儲けを加味して売り出し価格が決まるため、下落するまでにタイムラグがある。

 では、不動産を買ったり売ったりするのに今は適切なタイミングなのか? 週刊誌などでは「今より3割下落する」といった悲観的な記事が出始めているが、ここは冷静に買い時・売り時を見定めたい。

■リーマン・ショック時はどれくらい下落した?

 今回のコロナショックの引き合いに出されるリーマン・ショック時(2008年9月)は、07年末ごろから“怪しい”傾向がすでに出ており、当時のピーク(07年10月)と底値(09年6月)を比べると、1年8カ月で14・5%減の“値崩れ”となった。

 その後も東日本大震災で不動産価格は1割ほど下がったが、12年からは新築・中古のどちらも7年連続上昇中。首都圏の中古マンション成約価格は12年と比べ19年は約1・3倍。新築マンションも1・4倍にまで上昇している。

 要するに、過去の経験則から、10~15%ほど値下がりしたときが“買い頃”のひとつの目安になる。

「もっとも、今は売る方も買う方も様子見の段階にあり、新規の売り出し自体が減って価格も高止まりの状態にあります。ひとつ言えるのは、通常は7~10%程度の売り出し価格(売値)と成約価格(買値)の差が、今後しばらくは10~15%程度に落ち着くだろうということです」(不動産コンサルタントで「さくら事務所」会長の長嶋修氏)

■結局、不動産は株価次第なのか

 リーマン・ショックで日経平均は1万3000円から8000円へ約4割ほど下がった。これに対し今回のコロナショックは、現時点で2万4000円から2割の下落にとどまっている。

 もちろん、今回のコロナの方がリーマン以上に世界経済への影響は大きいとされ、不動産価格の下落も上回ってくる可能性がある。

「中古マンションは株価に連動する傾向があって、価格も株価次第のところがあります。一方、新築マンションに関しては、リーマン・ショック時にもやはり取引が急減し、資金面で持ちこたえられない中小マンションディベロッパーによる20~30%引きの投げ売りがありました。今回のコロナショックは国内の感染者や死亡者数が少ないといったポジティブな要素もありますが、いつ終息するのかは誰にも分からない。その意味でリーマンより不安が大きいでしょう」(長嶋氏)

 週刊誌などで3割安くなると言われる要因だ。

タワマンの建設ラッシュの影響は?

 不動産経済研究所によると、今年以降に完成するタワーマンション(20階以上)は10万3100戸に上る。来年の開催がほぼ絶望視されているオリンピックの選手村跡地を利用する「晴海フラッグ」のほか、西新宿、横浜市東高島、大阪市曽根崎など全国で大規模開発が始まる。

 新規供給があふれれば、物件価格に大きな影響が出てくるだろう。

「そうなると、ますます厳しいのは中途半端な郊外に建てられた物件でしょう。12年以降、東京都心7区(千代田、港、中央、新宿、渋谷、目黒、品川)のマンション価格は70%ほど上昇したのに対し、東京多摩や神奈川、埼玉、千葉といった地域の上昇率は20~30%と限定的でした。人気エリアと不人気エリアの格差が広まってくるでしょう」(長嶋氏)

 そもそも今回のコロナに関係なく、今年1月の時点で首都圏の中古マンションの在庫件数は4万7624戸、中古戸建ても2万3164戸ある。ディベロッパーの新規建築凍結もあり得る。

■リモートワーク定着で地方移住が進むのか

 リモートワークなどの自由な働き方が定着したことで、今後は通勤時間や駅近などの条件にこだわらない人も増えてくるといわれている。パソコンを置く書斎などのありがたみも知ったことで、都心の狭い住居より、郊外や地方の広い家に住む人が増えるというのだ。

「必ずしもそうはならないでしょう。軽井沢や熱海など新幹線で通勤1時間圏内のところは多少ニーズもあるでしょうが、それは限りなく限定的で、買い物や学校、病院環境などトータルの利便性が求められます。同じ郊外でも子育て支援に積極的で人口が増えている千葉・流山市などのように、自治体ごとに人気の格差も生まれてきます」(長嶋氏)

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