コロナ後の不動産大変革 住まいのトレンドはこう変わる

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長谷川高(不動産投資コンサルタント)

 日本人の所得が減り続ける中、これからの住まいに関して、不動産コンサルを生業にしている私が言うのもおかしなことですが、いま一度、「本当に家を買ってもいいのか」を問い直してみることをオススメします。

 多くの方にとって、これから厳しい時代になっていくと思います。今回、倒産した会社が少なくありませんが、以前から業績が悪く体力のない会社はたくさんあり、コロナは倒産を早めただけという見方もあります。ですから、多くの会社が10年後、20年後どうなっているかはますます予断を許さない状況になってきました。そのような状況で、低金利とはいえ35年もの間ローンを払い続けられることが現実的でしょうか。

 リモートワーク、外出制限などを経験したことも含め、コロナをきっかけに人々の価値観は変わりつつあります。これまで当たり前だったライフスタイルはすでに崩れようとしています。しかも、この20年で大地震は頻発し、津波や豪雨災害、そして、放射能漏れまで起こりました。今後も何があってもおかしくないでしょう。

■不動産は明らかに安くなる

 就労人口が減少する中、最もボリュームの大きい団塊ジュニアの方々の中心はすでに45歳を超え、彼らの新規の住宅需要もあと5年ほどでしょう。その下の世代の人口は少なく、全体の住宅需要は先細る一方です。さらに、高齢化でこれからさらに空き家がたくさん出てきます。一部の東京都心を除き、地方や郊外の不動産価格は明らかに安くなっていくでしょう。

 資金に余裕がある人を除き、これからは住まいという固定費をなるべく削ることで何が起こっても生き延びられるようにすることが大切です。今回のコロナでキャッシュ(現金)の重要性を実感した人は多いと思います。例えば、東京近郊でも公営の住宅では空室が増えています。家賃の安いこうしたところに引っ越すことも一案ではないでしょうか。また、今後もパンデミックが起こることを想定し東京一極集中ではなく、個人も企業も地方に拠点を設けるケースも増えてくるでしょう。

マンションの売り時、買い時

 不動産を手放す場合、今売り急いだほうがいいのが地方や郊外の物件です。今後、持ち家信仰の強い70、80代の親が暮らしている家を相続する人が増え、これらの住宅が急速に売り物件として放出されます。地方によっては売るに売れない事態も起こるでしょう。現に、数年間販売活動をしても買い手がつかない物件が増えています。

 また、マンションの買い時については、不動産価格は需給で決まるのでほとんどの不動産は後で買うほど安くなっていくでしょう。都心の不動産も現在の価格がほぼ天井圏だと思います。ただし、実需の住まいに関しては、損得でなく家族にとって必要であるならば、「買う」という選択をしてもいいと思います。

 もし、今都会で暮らしているのであれば、将来の仕事などを考慮して住居費の安い地方で暮らす準備をしていくのもいいと思います。私も地方に拠点を持っていますが、地方は労働賃金が少ないかもしれませんが、米や野菜などの食料が安く、物々交換で成り立っているところがあります。それなりの収入を得られるなら食べるに困ることはほとんどないのです。

■暮らす街選びのコツ

 住みたい街ランキングというものが発表されますが、こうした指標は基本的に大手ディベロッパーがマンションを分譲し、力を入れている街がランクインしていることが多いのです。

 オススメの街は、高齢者、若者、単身者、家族持ち、勤務形態など、属性によってさまざまです。

 新たに住まいを探す場合、まず避けたいのが天災の影響を受けやすいところです。

 比較的家賃が安く都心に出やすいと人気の東京の東側エリア(墨田、江東、足立、葛飾、江戸川)は、万が一にも台風や豪雨で江戸川や荒川が氾濫した場合、洪水や床下床上浸水が起こりやすい「海抜0メートル地帯」と言われています。

 こうしたエリアで購入を検討している場合、極力、一戸建ては避けること。また、津波が発生しやすい海の近くのケースは、なるべく高台を選ぶことをオススメします。また、都心に通勤しているサラリーマンの場合、家賃の高い西側の自由が丘や二子玉川にするくらいなら、通勤に便利で家賃も安い錦糸町、押上、曳舟といった東側エリアのマンションという選択もあると思います。

 私がオススメする街の選び方は、ランキングに出るような人気の街の1つ隣の駅を選ぶことです。例えば、ランキング上位の常連である吉祥寺が好きなら、1つ隣の西荻窪や三鷹などです。目立たないものの意外と住みやすく便利な街は探せばあるものです。家賃もランキングに出てくる街よりも安いケースがほとんどです。

【提言】
●35年ローンで家を買うことを見直す
●収入減に備えて固定費を削減する
●公営住宅も選択肢の1つに
●地方で暮らすのも一考の価値あり


【オススメの街】
●東京東側のマンション
●人気の街の1つ隣駅


▽長谷川高(はせがわ・たかし)長谷川不動産経済社代表。著書「家を買いたくなったら~令和版」「家を借りたくなったら」(WAVE出版)は初版から累計10万部を突破。新刊「不動産2.0」(イースト・プレス)で人口減少、供給過剰で大転換期を迎えるマーケットを制するための不動産の必須知識を伝えている。

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