新世代アイサイトはビックリ庶民派先進安全!スバルを直撃
遂に10月15日に正式発表される、スバル肝いりワゴンの新型レヴォーグ。
一新したデザインや走りの良さも話題だが、個人的に最も注目すべきは先進安全の新世代アイサイトと事実上+35万円で付けられるアイサイトXだと考えている。
アイサイトは基本的な被害軽減ブレーキや踏み間違い防止機能を指し、アイサイトXは主に高速道路での自動追従運転やレーンキープ性能を指すが、両者の本当の凄さは性能以上に価格にある。
特にアイサイトXはBMW、日産スカイラインに続き、国内で売られる新車として遂に「ハンズオフ機能」=両手バナシ機能を搭載。運転中にドライバーが前方を確認し、クルマが前走車や白線を認識して追従運転していれば、文字通りハンドルから両手を離すことが出来るのだ。
まさに自動運転一歩手前で、他にもアイサイトXは今までにないカーブ直前に道の曲率に合わせてスピードを自動調整する「カーブ前速度制御」や「料金所前速度制御」、他のクルマより上手い自動レーンチェンジを可能とする。
だが小沢が考える一番の凄さは、コイツを最安モデル税抜き約280万円+35万円=300万円台前半で手に入れられることだ。日産スカイラインやBMWにしろハンズオフ機能は500万円台後半のクルマにしか付けられず、今後出てくるメルセデスのSクラスにしろ1000万円以上。なぜこんなに安くできたのか。アイサイト開発トップの柴田英司エンジニアを直撃した。
「我々は違うチャレンジをしている」
小沢 なぜこんな値段にできたのでしょう?
柴田 現在、世の中には運転支援レベル3や自動運転の流れがありますが、我々とは少し違うんです。レヴォーグ、インプレッサは300万円前後のクルマなので、その中に最高の先進安全をどう詰め込むかばかりを考えています。
小沢 最初から値段ありきだと?
柴田 ある意味そうです。技術をどの目標に向けて開発するかっていうのは凄く重要で、レベル3運転支援は凄く難しいです。前人未踏の自動運転は、誰もがやったことない領域を値段の高い部品を沢山付けてでもやらなければいけない。その一方我々は300万円以内でどこまでやるんだ、って違うチャレンジをしている。
小沢 つまり別の開発競争であり、違うビジネスってことですか?
柴田 レベル3のシステム開発をしている方たちからすると「アイサイトとはウチとは違うから」って思われるかもしれない。実際こちらはレベル2運転支援ですから。
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アイサイト&アイサイトXはお金に比較的糸目を付けずに性能を追求するプレミアムな先進安全機能とは違う。ある種の庶民派先進安全なのだ。新型スバル・レヴォーグの本質は、手が届く最新先進安全ワゴンとも言えるのである。