(2)日本の新幹線は「世界で最も安全で最高の技術」と、値引きに一切耳を貸さず
「日立、東芝は一体なにをしに台湾にきたのだろうか? 彼らは子供の使い以下ですよ……」
台湾高速鉄道(以下、台湾高鉄)の日本車両逆転受注に関わった台湾政商は、日本企業のコロナ禍のアポなし渡台に首をかしげる。
1999年に車両の逆転受注をした際には東芝のほかに三菱重工、川崎重工、三井物産、三菱商事、丸紅、住友商事の7社で台湾新幹線株式会社を設立。同社には一般社団法人海外鉄道技術協力協会を通じてJR東海、JR西日本、日本鉄道建設公団(現鉄道建設・運輸施設整備支援機構)のスタッフが技術支援を行った。まさにオールジャパンの陣容だ。今回は商社も抜ければ、開業当初34編成中、最多の19編成を納入した川崎重工も抜け落ちている。
「川崎重工はJR東日本とともに中国高速鉄道に車両と技術を提供したのですが、これに日本企業連合の一部企業が激怒。川崎重工は台湾高速の車両更新からも追放されたのですよ」(前出の台湾政商)
日本企業連合は日本の新幹線を「世界で最も安全で最高の技術」と自負、車両を値引きするわけにはいかないと一切耳を貸さなかった、という。