(1)車両更新交渉破談! 日本企業連合はコロナ禍に“アポなし渡台”で門前払い
日華親善の象徴であり、日本のインフラ輸出唯一の成功例だった台湾高速鉄道が日本製車両更新を最終的に断念した。2019、20年と2度にわたって日本企業連合だけが応札しながら価格面で折り合わず、政界を巻き込んだ値下げ交渉にまで発展していた商戦は日本の一方的敗北で幕を閉じた。台湾新幹線は今後、どの国の車両を更新するのか? 今回の破談は「史上空前の良好」と胸を張る日華関係にどのような影を投げかけるのか?
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「日本側は台湾側が求める値下げに応じることはなく、日本製車両の更新を断念せざるを得ませんでした」
日台間で奔走した台湾高速鉄道(以下、台湾高鉄)関係者は肩を落として呟いた。台湾高鉄は昨年1月、国際入札を白紙に戻し、第三国からの次期車両調達を明らかにしていた。しかし、日立・東芝からなる日本企業連合は昨春、コロナ禍にもかかわらず、台湾高鉄から事前の連絡なしで渡台。2週間の隔離期間中にようやくアポが取れたものの、日本側の示した価格はまだまだ高すぎると門前払いされ、これで台湾高鉄が次期車両を日本から調達する可能性は灰燼に帰したという。