岸田首相がかわす日銀総裁人事への“安倍圧力” ささやかれる「まさか」のリフレ派の名前
財界通(同=財) 最近、安倍晋三氏が元首相として例がないほど財政の拡大を政権に迫っているが、何が狙いかね?
政界通(以下=政) 成果を出せなかったアベノミクスを正当化するためと、次の日銀総裁人事に対する「圧力」ではないか。
財 どういうことだ?
官界通(同=官) 黒田東彦総裁(77)は安倍氏が選び、金融の超緩和と財政の大規模出動という安倍政権の2本柱の片方を推進した。その政策決定に参加する審議委員の交代人事で、安倍氏は「リフレ派」を重用した。
財 リフレ派とは「自国通貨で発行する国債なら、いくら増やしても日銀がお札を増やして買い取れるから、景気拡大のために増発していい」といった主張をする面々だな。
政 でも、岸田文雄首相は今年3月、審議委員の交代で後任にリフレ派を採用しなかった。
官 このときは安倍氏も動かなかったが、コロナ禍による部品供給の停滞とロシアのウクライナ侵攻に伴う資源や食料の値上がり、そして超緩和がもたらす円安で生活物価の上昇に火がついた。その抑制に、放漫財政と超緩和策を終わらせて円安に歯止めをかけるべきだ、との声が出てきた。