小林製薬「紅麹コレステヘルプ」で健康被害続出…個別補償はどこまで膨らむのか?
一方、補償額については「今後、病院に行っていただいて、検査の結果が領収書なりで出てきますので、それで数字がやっと見えてくるものだと思います」(渡辺執行役員)と見通せない。小林社長は「まずは健康被害を訴えている方に情報を提供することや、速やかに診察・治療をしてもらうことが最優先」と強調。補償範囲はこれから精査するという。
■交通事故なら1カ月入院53万円
一体、補償額はどこまで膨らむのか。
例えば、医薬品の副作用による健康被害に関する国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)では、医療費の全額給付に加え、通院・入院費用として月額3万5800~3万7800円が支給される。遺族への一時金は754万2000円だ。
今回のケースは医薬品による事故とは性格が異なるが、補償額の目安になるのか。弁護士の山口宏氏は「交通事故による損害賠償が参考になる」と指摘し、こう続ける。
「交通事故に伴う補償は、被害者の損害を加害者がどのくらい補填するか、ある程度、定型化されています。被害者が死亡した場合、基本的には逸失利益と慰謝料、葬儀費用などが発生する。逸失利益は平均寿命を基準に、将来的に得られたはずの金額が加味されるでしょう。あくまで一例ですが、慰謝料3000万円に逸失利益を補填した額が想定されます」