ホタテ漁で栄華を極めた北海道猿払村は中国への輸出停止でどうなった?漁師はメディアに“警戒モード”

公開日: 更新日:

 ホタテ漁で栄華を極めた北の果てにある「日本一の金持ち村」はいま、どうなっているのか──。

 日本最北端の北海道・宗谷岬から南東へ30キロほどのところに猿払村はある。2008年はホタテの水揚げ量が世界一をマークし、年収3000万円超の漁師が続々と誕生。村は「ホタテ御殿」と呼ばれる大豪邸が立ち並ぶセレブビレッジとして知られるようになった。

 ところが昨年8月24日、東京電力が福島第1原発の処理水放出を開始。同日から中国が日本の水産物の輸入停止を決めた。行き場を失ったホタテの消費先を求め、昨年9月、当時の宮下一郎農林水産相が「ひとり追加で5粒、ホタテを食べていただきたい」と、“異例の懇願”をしたのは記憶に新しい。

 冒頭の疑問を確かめるべく、本紙記者は猿払村に飛んだ。

 羽田空港から約2時間で稚内空港、そこからは車での移動になる。「シカ注意」の看板はダテではなく、道路の両脇からエゾシカ、キタキツネ、タヌキの熱烈な歓迎を受けた。急に飛び出してくる個体をかわしながら、命懸けの雪道ドライブの末、猿払村に到着した。

 日が出ている時間帯でも通行人はまったくおらず、どこか寂しい。それがホタテ御殿の存在感を一層、引き立てる。海沿いの「オホーツクホタテロード」の両側に点在する豪邸のサイズは、コンビニを4~6軒ほど連結させた「巨大な箱」。あまりの荘厳さに面食らうほどだった。

 ホタテ漁師のナマの声を拾おうと、とある一軒家のインターホンを鳴らして取材の趣旨を伝えると、「話すことはありません」。別の家を訪ねても、「主人は寝ている」「いや、大丈夫です」「あ~、ちょっと無理ですね」などと、けんもほろろ。そんな中、ある御殿の主が年齢も記さないことを条件にこう言った。

「バラエティー番組などで面白おかしく取り上げられてきたせいで……。村を知ってもらえて良かった部分はありますが、ネットではやっかみの声が少なくありません。しかも、ユーチューバーを含め、勝手に家の景観を撮影する人が増えているので迷惑しているんです。メディア露出したくないのが本音です。収入面にしても、仮に下がっていたら格好のネタにされるし、そうじゃなかったら面白くない人もいるでしょ(笑)。だから、すみません」

 どうやら、メディアに対し、“警戒モード”だという。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    ホルムズ海峡再封鎖で日本は原油危機から脱出できず…高市政権が胸張る「代替調達」説明にも疑義アリ

  2. 2

    利上げ不発で為替1ドル160円台に張り付き…円安止まらず「170円」早くも現実味

  3. 3

    福岡ローカル「西鉄」が"本業"以外で大躍進のワケ 国際物流事業は国内4位でコロナ禍の営業収益は12%増

  4. 4

    6月末の株主総会集中日で注目…やりたい放題のアクティビストと無意味な政府の対策

  5. 5

    ZOZOマリン“ドーム化”で総工費1000億円超えも 渋滞・液状化・税負担…千葉市が抱える数々の火種

  1. 6

    原油上昇から9カ月遅れで襲い来る狂乱物価を高市政権が野放し…今も補助金政策にドヤ顔の経済オンチ

  2. 7

    元LINE社長・森川亮氏が語る「日本がアップルを追い抜き、グーグルを倒す契機を逃した理由」

  3. 8

    片山・ベッセント会談で飛び交う臆測…迫る39年半ぶり円安でスピード利上げはあるか?

  4. 9

    高市首相側の関与はあったのか? 暗号資産「サナエトークン」が大炎上! 金融庁が調査を検討

  5. 10

    利上げ不発で1ドル160円台と“無風”のまま…企業の切望相場「136.8円」との乖離ちっとも縮まらず

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相の「反社会性パーソナリティー」を精神科医が懸念…海外メディアもG7での“虚勢”をさらし上げ

  2. 2

    ドラ1候補の沖縄尚学・末吉良丞“まだ治らない左ヒジ”に日米スカウトやきもき…夏の甲子園沖縄県予選きょう23日開幕

  3. 3

    注目の集中審議で高市首相が“錯乱答弁”連発…「中傷動画」「サナエトークン」野党質問を圧殺し被害者ヅラ

  4. 4

    ドジャース指揮官は真美子夫人に言及も…2児の父となった大谷翔平に「心配のタネ」

  5. 5

    ロッキーズ菅野智之にトレード浮上! Dバックス、パドレス入りで打倒ドジャースの急先鋒になるか

  1. 6

    森保J次戦のスウェーデンを徹底予想! 相手FW陣迎える3バックは誰が? なでしこ初代監督が挙げるキーマン

  2. 7

    長尾謙杜は熱愛報道に謝罪も「問題児」扱いで“STARTO社出世レース”からドロップアウト

  3. 8

    高市内閣支持率下落の必然…衆院選の公約「消費税ゼロ」反故にする裏で進める“ゲリマンダー政治”の闇

  4. 9

    巨人橋上監督代行が見せたシビアな顔 「坂本勇人を使ったら、浦田が使えなくなっちゃう」

  5. 10

    維新の念願「都構想」は絶望的…足元見た高市首相が吉村代表に“諦めろ”と引導渡す