著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

メルカリは米国市場に見切りをつけるのか? 赤字続きでついに現地で100人レイオフ

公開日: 更新日:

 フリマアプリのメルカリ(山田進太郎CEO)が6月に米国法人の現地社員の半数弱に相当する約100人を一時解雇(レイオフ)したことが明らかになった。米国事業はインフレによる取引停滞や中国系の格安電子商取引(EC)の台頭で営業赤字が続いており、いったん、規模を縮小して米国事業を仕切り直す狙いがあるとみられている。

 メルカリの米国市場での苦戦はいまに始まったことではない。メルカリは2018年6月に東証マザーズ市場(当時)に上場。ユニコーン企業の誕生に市場は沸いたが、高まる市場の期待とは裏腹に、「メルカリの将来には大きな課題が立ちはだかる」と、金融関係者は厳しい指摘をしていた。メルカリの成長に欠かせない米国市場での苦戦だ。

 メルカリの山田CEOは上場で得られる資金について、「まず海外事業への投資に振り向ける」と公言していた。狙いは、「日本の10倍といわれる米国フリマ市場で、イーベイに挑戦すること」(ITアナリスト)にあった。しかし、米国市場で新参者のメルカリが存在感を高めることは容易なことではない。

■創業の翌年に米国進出も存在感ゼロ

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い