著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

メルカリは米国市場に見切りをつけるのか? 赤字続きでついに現地で100人レイオフ

公開日: 更新日:

 メルカリは創業の翌年、14年に早々と米国市場に進出した。だが、「精力的に市場開拓に取り組んだものの、10年経った現在も存在感がほとんど感じられない」(メガバンク幹部)というありさま。赤字続きで、収益の足を引っ張っている。

 17年6月期から23年7~9月期まで米国事業の累積赤字は700億円規模に達する。主因は海外での広宣費の高止まりだ。「メルカリアプリのダウンロード数の約3割は米国が占めるが、稼働率は数%にとどまる」(同)とされる。低迷する米国市場のテコ入れを図るため、17年にフェイスブック元副社長で、NTTドコモでiモードの開発に参画した経験を持つジョン・ラーゲリン氏を招聘し、戦略を強化したが、いまだに黒字化のメドは立っていない。

 山田CEOは、メルカリの米国市場への挑戦について、日本人初の本格的大リーガーとなった野茂英雄選手になぞらえ、「みな最初は懐疑的だったが、野茂投手はスターになった」と語り、粘り強く取り組む姿勢を堅持してきた。果たしてメルカリは米国でもスター企業になれるか……。それとも米国市場を見限って、思い切って撤退するのか。大規模なレイオフは、そろそろ判断を下す時期に来ていることをにおわせる。

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