著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

コスモス薬品(上)M&Aなしの“単独路線”を貫き、売上高1兆円達成へ

公開日: 更新日:

 加えて、EDLP(エブリデー・ロー・プライス=毎日安売り)を徹底することで集客を図っている。EDLPのためには、安い販管費で売る必要がある。日替わりの特売はせずに、ポイントカードもない。

 商談は本部が担い、メーカーが全国で販売するナショナルブランド(NB)商品を一括で仕入れる。大手メーカーの知名度のあるNB商品をEDLPしている。

 来店客はショッピングカートを押し、化粧品、日用品、加工食品、酒類などが並ぶ大きな店内を巡る。1階は50台以上入る大型駐車場。どれも都市部で見慣れたドラッグストアとは異なる光景だ。

■創業者・宇野正晃会長の悲願だった東京進出

 19年4月、東京・広尾に出店して関東に進出した。郊外型を主力とするコスモスは、訪日客需要が見込まれる駅前中心部への出店にアクセルを踏んだ。東京・渋谷の東京メトロ日比谷線広尾駅に出店したのは、都心部出店強化の一環だ。

 東京進出は創業者である宇野正晃会長の悲願であった。「地盤をしっかり固めてからでないと、東京に出てもすぐ倒れてしまう」と出店を急がず、店の強さを磨き込むことを優先した。「生きている間に出られてよかった」と周囲に漏らしているという。

 地方の食品中心の郊外型大型店を得意としてきたコスモス薬品が、調剤併設店で関東圏に切り込んだ。その戦いの行方を占ってみよう。 =つづく

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