イー・ロジット 角井亮一会長(1)スタッフの働き方と事業の成立は子どもの時に知った

公開日: 更新日:

 きっかけは一本の投稿文。日本倉庫協会の25周年を祝う記念論文に、父親の角井勝美が「これからの物流業界は流通加工を担うべきである」という趣旨の文章を投稿した。

 流通加工とは、物流倉庫が商品の値札づけやタグの変更などを行うこと。従来の物流業界にはない新しい事業モデルの姿が描かれた文章は見事入賞。それが後押しとなって、起業に至ったのである。

 光輝物流は、主にアパレル関係の荷物を扱っていた。当時のアパレル業界で流通加工を行える事業者はほとんどなく、父親の会社は重宝されることとなった。

「両親はいつも忙しそうにしていました。倉庫に入りきらない量の荷物が来たので倉庫外に置いておき、夜は盗まれないように寝ずの番をしていたことも。ミシンかけやタグづけなど、それまで加工場に送って行っていた作業を光輝物流の倉庫内ですべて実現できる、つまり移動のコストや時間が削減できるからこそ、多くのお客さまがついたのだと思います」

 多くの顧客に支持された光輝物流の流通加工サービスを実現する要が、倉庫の近隣エリアに住む主婦を中心としたパートスタッフだった。父親の事業を間近で見続けてきた角井少年は、スタッフの働き方にも事業を成立させるためのポイントがあると幼いながら見抜く。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い