石油化学大手“ガチンコ再編”の可能性…エチレン稼働率が27カ月連続で大台割れへ
過去最長記録の約12年ぶりの更新がほぼ確実視される情勢となっている。といっても「栄えある話」ではない。むしろ真逆だ。
合成樹脂をはじめとする大半の化学製品の基礎原料となるエチレンの製造設備における連続「低稼働」記録のことである。今年9月にはついに「26カ月」連続という、これまでの最悪水準に肩を並べた。「過剰生産の続く中国からあふれ出た安価な輸入品の増加や内需の低迷」(大手化学メーカー幹部)などが背景にある。
トレンドは10月に入っても好転の兆しがみられないまま。「27カ月」連続が完全に視野に入る。長引く底ばい状態を受けて三井化学や三菱ケミカルグループなど各社では、設備集約などプラントや石油化学コンビナートの再編に向けた検討を急ぐ。
エチレンは主要4樹脂と呼ばれる低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンやポリスチレンの原料となり、ここから家電・自動車などの耐久消費財や日用品、食品包装材などに加工される。その生産設備は稼働率90%が「好不況の目安」(市場関係者)とされ、景気動向を占う指標の一つともなっている。
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