著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

石油化学大手“ガチンコ再編”の可能性…エチレン稼働率が27カ月連続で大台割れへ

公開日: 更新日:

 ところが、これが22年8月以降、26カ月間にわたって大台を下回り続けているのだ。業界団体である石油化学工業協会(石化協)によれば9月の稼働率は80.2%。生産量も38.97万トンと前年同月比で9.7%も落ち込んだ。

 統計を遡れる1991年以降では「石化不況」といわれた11年10月から13年11月までにかけての低迷期と同水準。業界内からは「中国製品が東南アジアなどに大量に流れ込み、市況も緩みっぱなし。採算が上向く気配は乏しい」との悲鳴も上がる。脱炭素や廃プラの加速も需要反転への逆風だ。

■進む設備集約化

 そんな中、始まっているのが設備集約化の動き。国内のエチレン生産量の3分の1を占めるとされる京葉地区のコンビナートでは、27年度に出光興産がプラントを停止。三井化学に集約する方向で調整が進む。30年には丸善石油化学や住友化学も加わって全4基体制を2基に圧縮する構想も検討されている。旭化成、三井化学、三菱ケミカルの3社は水島地区(岡山県)などでの「生産最適化を見据えた設備再編を探る」(関係筋)。レゾナック(旧昭和電工)は石化事業の分離に踏み切った。本体同士による“ガチンコ再編”の可能性も捨て切れない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった