三菱UFJはネット証券再編で劣勢挽回なるか…“消える”auカブコム証券
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)とKDDIが共同で出資するネット証券とネット銀行の資本関係を再編する方針を固めた。来年1月末にも、三菱UFJが「auカブコム証券」へのKDDIの出資分(49%)を、KDDIが「auじぶん銀行」への三菱UFJの出資分(22%)をそれぞれ買い取り、完全子会社化する。
新しい「少額投資非課税制度(NISA)」の拡大など投資熱の高まりを受け、それぞれの注力分野に経営資源を集中するのが狙いだ。三菱UFJは完全子会社化を機に、「auカブコム証券」の名称を、自行名を冠した「三菱UFJeスマート証券」に変更し、個人向け事業を一段と強化する。両社は、資本関係の見直し後も生成AI(人工知能)の活用でノウハウを持ち寄るなど関係を継続するとしている。
だが、この報道を額面通りに受け取る金融関係者は少ない。「両社の協働は当初の思惑通りにうまくいってはいなかったのではないか、とくに三菱UFJには、このままではネット証券戦略で競合他行に劣後したままになるとの危機意識が強かったようにみえる」(金融筋)というのだ。
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