新築マンション市場の調整期で注目…常設型モデルルームで「バーチャル化」が加速する要因

公開日: 更新日:

 首都圏の新築マンション市場は、2024年に大きな転換点を迎えたのかもしれない。不動産経済研究所の調査によると、供給戸数は前年比14.4%減の2万3003戸と、1973年以来の最少を記録。2000年の供給戸数9万5635戸と比較すると、実に76%の減少になった。一方で、平均価格は7820万円と高値圏を維持しているものの、前年比3.5%のダウンは6年ぶりの下落となった。

 供給戸数の大幅な減少と価格調整の兆しが見える中、デベロッパー各社はコスト削減と効率化を迫られている。特に物件ごとに建設・撤去を繰り返していたモデルルーム運営の見直しは急務となっており、複数物件を集約した常設型の販売拠点に移行する動きが活発化している。

 マンション販売大手の三井不動産レジデンシャルも、「三井のすまい 日本橋サロン」を昨年末にリニューアルオープン。大型LEDビジョンと実物展示を活用したバーチャル体験型の販売手法を導入し、購入検討者に、従来よりも具体的な住まいのイメージ提供を狙う。

 また「人材の有効活用と業務効率化の観点からも、常設型サロンでの集約的な販売体制が必要」(同社担当者)だという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝