ハタノ製作所 波田野哲ニ社長(1)「溶接をアートにした」町工場の技術力 デザインユニットとの協働

公開日: 更新日:

 ハタノ製作所は大田区にある溶接加工の町工場だが、デザイナーやアーティストと協働したりオリジナルのアート商品を売り出したり、ユニークな活動を展開している。溶接とアートやデザインは、どんな道をたどって出会うことになったのだろうか。社長で一人親方の波田野哲二氏(38)に聞いた。

 ハタノ製作所が手がけるのは、TIG(ティグ)溶接と呼ばれる溶接技術だ。

「この溶接は不活性ガスを吹き付けながら金属を溶かしてくっつける。溶接部分が真空状態になり、精密で安定した加工ができます」

 そうした特徴から、漏れてはいけない液体やガスのタンクをつなぐ配管などで、TIG溶接は多用されるという。発注主の工場から材料と図面を預かり、溶接して発注主に戻すというのが仕事の流れだが、「同じものは作っても数個。そういう意味ではアート作品に似ていますね」と波田野氏は笑う。

 なかなかアート、デザインとの接点が見えてこないTIG溶接だが、ここでひとつの切り口を紹介しよう。それは溶接ビードと呼ばれる溶接跡の美しさ。溶接する板の厚さ、電気の強さなどで、溶接跡は七色に変化するという。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解