ハタノ製作所 波田野哲ニ社長(1)「溶接をアートにした」町工場の技術力 デザインユニットとの協働

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 ハタノ製作所は大田区にある溶接加工の町工場だが、デザイナーやアーティストと協働したりオリジナルのアート商品を売り出したり、ユニークな活動を展開している。溶接とアートやデザインは、どんな道をたどって出会うことになったのだろうか。社長で一人親方の波田野哲二氏(38)に聞いた。

 ハタノ製作所が手がけるのは、TIG(ティグ)溶接と呼ばれる溶接技術だ。

「この溶接は不活性ガスを吹き付けながら金属を溶かしてくっつける。溶接部分が真空状態になり、精密で安定した加工ができます」

 そうした特徴から、漏れてはいけない液体やガスのタンクをつなぐ配管などで、TIG溶接は多用されるという。発注主の工場から材料と図面を預かり、溶接して発注主に戻すというのが仕事の流れだが、「同じものは作っても数個。そういう意味ではアート作品に似ていますね」と波田野氏は笑う。

 なかなかアート、デザインとの接点が見えてこないTIG溶接だが、ここでひとつの切り口を紹介しよう。それは溶接ビードと呼ばれる溶接跡の美しさ。溶接する板の厚さ、電気の強さなどで、溶接跡は七色に変化するという。

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