「再開発計画が白紙」中野サンプラザよりヤバい…築古マンションの不安な先行き
「耐震診断の結果、耐震補強が必要ないものも中にはあります。もし補強が必要な場合、技術的にできないものと高額の費用がかかるものとがあり、耐震化によって以前より住みづらくなることもあります。耐震補強工事が難しい場合、建て替えることになりますが、所有者全体の5分の4以上の賛成が必要です」(長谷川高氏)
■建て替えは立地次第
建て替えが実現しやすい条件の一つが、容積率緩和などの特例で以前より高い建物が建てられるケースだ。
「例えば、現在6階のところに20階のタワーが建てられれば、余った住戸を販売することで地権者の負担が軽減ないしなくなることもあります。もう一つが物件が都心にあるケースです。建て替え費用が坪200万円として、70平方メートルの場合、共用部も含めた負担額はだいたい5000万円を超えることになります。しかし、現在、都心3区の新築価格が1億5000万円から2億円ほどなので、お金を用立てられる人にとっては前向きに検討できるのではないでしょうか」(長谷川高氏)
しかし、こうしたケースはまれで、大半の築古マンションは建て替えが難しいのが現実なのだ。