デリカフーズHD 大﨑善保社長(1)代役として出席した結婚式で運命の出会い

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 こうした努力が認められ、大﨑は1997年2月、アルバイトから社員に昇格、最初に担当したのが営業だった。アパレル時代から営業は大好きだったが、失敗もあったという。

「成長しそうな外食チェーンに行って、飛び込み営業をしました。失敗もたくさんしましたね。漬物屋さんからニラと万能ねぎのカットの大量の注文をもらったことがあったんです。喜び勇んで工場に報告に行ったら、工場長から『いままで、うちではそんなもの作ったことはない。できない』とけんもほろろに断られてしまったのです。すでにお客さんから注文をいただいているから、いまさら断るわけにもいかない。仕方がないので、夜中に一人で作業する覚悟を決めると、かつてのバイト仲間が次第に集まってくれて、無報酬で仕事を手伝ってくれたんですよ。ありがたかったですね。1週間くらいそんなことをやりながら、最終的には工場長も業務に組み入れてくれました」

 当時から、大﨑のアイデアの豊富さ、行動力は群を抜いていた。 (つづく)

(経済ジャーナリスト・松崎隆司)

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