FeelWorks 前川孝雄社長(1)「日本の上司を元気に」する“第一人者”
「1階が店舗で、2階が住居。当時はそれが普通だったんですけど、2Kぐらいのところで、よく家族4人で暮らしていたなあと思いますね」
夜9~10時ぐらいまで店の片づけ、両親はその後、翌日の仕込み。地元の公立小学校に通っていた前川少年も店の手伝いをしていた。時代は高度経済成長期だ。周りを見回すと、お父さんはサラリーマン、お母さんは専業主婦なんて家庭も増えてきていた。
「友達の家は夕方6時ぐらいに晩ご飯。でも、ウチは食べている時間がない。菓子パンで空腹をしのいで、夜の10時ぐらいに食べようとなっても、母親もクタクタで作る気力がない。となると、家族で国道沿いにあるドライブインレストランに行くわけです。トラックドライバーが来るので、夜遅くまでやっている。そこでカレーかラーメンを食べる。いまだによく覚えていますね」
両親は1年365日、働きづめ。戦後の混乱期を生き抜いてきた。父親は勉強好きで英語が得意だったが、9人きょうだいで、15歳で働きに出ることに。5人きょうだいの母親も高校には行かせてもらえなかった。


















