NY市長選に勝利したマムダニ氏は「大家の天敵」…挑むは15兆円の住宅革命
第3が、「公営住宅の大量建設」。10年で20万戸を建てるという前例のない規模の計画である。1000億ドル(約15兆円)規模の投資を掲げ、市が主体となって住宅供給を再び担うという。
当然ながら、不動産業界の反発は強い。選挙期間中から「マムダニ新市長ならば富裕層が逃げ出す」「ニューヨークの不動産は終わる」といった過激な言説も飛び交っていた。当選が発表されたニュースに「もうフロリダへ移住するための荷造りを終えた」という冗談も聞かれたほどだ。
しかし、しばらくして空気は、やや変わりつつあるという。
海外不動産に詳しいディベロッパー社員は語る。
「ニューヨークの不動産業界は、最終的にはどんな市長とも折り合いをつけてきた実利集団だ。過去にも急進的な主張をする政治家はいたが、蓋を開ければ市場は淡々と動いてきた。今回も『まずは対話を』という現実路線が広がりつつある」
そもそも、当のマムダニ氏自身が対話姿勢を前面に出している。選挙中から財界や開発業者との意見交換に積極的で、「意見の異なる相手とも共通点はある」と繰り返してきた。現地紙によると、市政移行チームも実務派人材を揃えており、理想だけの人物ではなさそうだ。


















