株価の上昇は続くが…実体経済で見ると「日本人は貧しくなっている」
家計の金融資産を増やしているのは投資で儲けている一部の富裕層だけということだ。経済評論家の荻原博子氏は、家計の金融資産の増加は庶民生活を豊かにしているわけではないとこう言う。
「多くの消費者は物価の上昇や年金など将来の生活不安からおカネは使わず、買いたい物も買わず貯め込む人が増えています。投資も儲けている人が集中的に儲けているだけで、実体経済を見れば日本人は貧しくなってきています」
その実体経済は、昨年11月分の実質賃金が11カ月連続でマイナス、消費者物価指数は3.0%増の高水準が続いている。25年の全国企業倒産は1万300件と前年に続き1万件を超え、産業別ではサービス業、農・林・漁・鉱業、建設業、製造業、情報通信業は4年連続で増加している(東京商工リサーチ)。
25年10月発表の司法統計では、24年の自己破産申立件数は7万6309件と前年を5720件上回り3年連続で増加、25年上半期もこれをさらに上回るペースだ。また先の日本銀行調査結果では、家計の借金は402兆円で前年同期比2.9%増の過去最大に膨れ上がっている。低金利から住宅ローンの借り入れ増加が背景だが、住宅価格の上昇や金利先高観から家計の負担はさらに重くなりそうだ。
1月14日に日経平均株価は5万4000円を突破、家計の金融資産はさらなる増加が見込まれるが、コメをはじめ食料品の値上がりは止まりそうもない。「くれぐれも家計は油断しない方がいい!」。荻原氏の言葉を肝に銘じよう。
(ジャーナリスト・木野活明)




















