著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

フジ・メディアHDの株価は年初来高値へ きっかけは村上ファンドから受けた不動産売買提案

公開日: 更新日:

足元では4000円前後で推移

 フジHDによると、両社は2月3日付で、「保有するフジHD株を速やかに売却すること」「売却の意向を撤回しないこと」などで合意。村上氏もフジHDの清水賢治社長に対し、「今後フジHD株を取得することはない」との意向を表明したとされていた。

 だが、村上氏側は2月13日、「株価が低迷している状況では残存株式を売却できない」「株価が当社の評価を大きく下回ると判断した場合、フジHD株を買い付ける可能性がある」と反論した。

「村上氏は骨の髄までしゃぶってくる。合意に齟齬があるというが、理由はいくらでもつけられる。村上氏はフジHDの自社株買いで保有株をすべて売り切ることができず、その後の株価下落で損失が生じていることに業を煮やしている」(市場関係者)と見られた。

 そうした中、村上氏側は、3月26日、ATRAがフジHDの不動産事業を3500億円で買収する提案をしたと発表した。

 もともと村上氏は、フジHDが不動産事業を分離・再編すれば、保有株は売却し、手を引くと約束していた。この約束を信じてフジHDは自社株買いを実施し、村上氏の持ち株を買い上げた。にもかかわらず、村上氏は不動産事業買収提案という「二の矢」を繰り出したわけだ。

 だが、この買収提案を境に、フジHDの株価は高騰に転じた。「もはや超えることは難しいだろう」(市場関係者)と見られていた2月5日の自社株買いの価格(3839円)を超えて、足元では4000円前後で推移している。フジHDの不動産事業買収報道が、村上氏に高値売却のチャンスを与えたことは確かだ。

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