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高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

算入改定GDP「水増し」を憂う

単なるカサ上げは本末転倒

 何がナンでも、リセッション(景気後退)入りの汚名を拭い去った印象だ。7~9月期の実質GDPが2次速報値でプラスに転じた。伸び率は前期比年率1.0%増。先月の1次速報値の0・8%減から大幅な上方修正である。

 実質GDPが4~6月期に続き、2四半期連続でマイナス成長に陥れば、安倍政権が「緩やかな回復が続いている」と言い張っても、国際社会はリセッションとみなす。今回の上方修正によって、景気後退の懸念を払拭したわけだが、数値の押し上げに大きく寄与したのは「企業の設備投資」だ。1次速報値では1.3%減と2四半期連続のマイナスだったが、2次速報値では0.6%増と驚異的に伸び、プラスに転じた。

 安倍首相が「官民対話」で、財界トップに設備投資を迫ったことが功を奏したのか。それとも、GDPをまとめた内閣府が首相の意向を反映させたのか。むろん、これは冗談半分ではあるが、それにしても数値の極端な上振れは統計への不信感を招きかねない。

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