著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

狂暴化した警官隊は暴力団と共謀して女子学生を撲殺した

公開日: 更新日:
樺美智子さんが犠牲となった場所に黙とうを捧げる全学連(1960年6月16日、国会南通用門)/(C)共同通信社

 6月16日から17日にかけて、日本社会には声明が氾濫した。政府、各政党、財界、労働組合、文化団体、大学、そして新聞社までもが声明を出した。樺美智子さんの死はそれほど大きな衝撃を与えたのである。

 政府の声明は安保反対デモを国際共産主義の陰謀と言い切った。社会党は17日午前… 

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