菅義偉元首相の訪米きっかけに自民でキングメーカー争い再燃!裏で蠢くのは麻生太郎と岸田文雄

公開日: 更新日:

 昨年末に死去したカーター元米大統領の国葬に参加するため、石破茂首相の特使として訪米している菅義偉元首相(76)が、ワシントンで共和党のハガティ上院議員と会談した。

 ハガティ氏はトランプ政権1期目の駐日大使で、2期目の閣僚候補に名前が挙がったほど今もトランプに近い。会談で菅氏が「日米同盟を新たな高みに引き上げたい」と述べると、ハガティ氏は「助力を惜しまない」と応じ、石破首相とトランプ氏との対面会談についても意見を交わしたという。

 だが、永田町の一部には、なぜ今回の訪米が菅だったのかと疑問の声がある。トランプとのパイプを考えれば、昨年4月にトランプに面会した麻生太郎元首相(84)の方が適任だったのではないかというわけだ。

「麻生さんは先月、トランプ夫妻との夕食会に招かれた安倍昭恵氏の訪米にも絡んでいるという話もある。麻生さんの力が強くなりすぎるのを石破首相は警戒したのか」(官邸事情通)

 昨年の総裁選以降も菅vs麻生の“冷戦”は続いているとされる。ただ、2人とも高齢だけに健康不安説が度々流れ、権力低下が囁かれた。しかし……。

「菅さんは極寒のワシントンへ13時間かけて飛行したということで、とりあえず健康不安説を払拭できた。麻生さんも元気です。定例の派閥会合も継続している。新年の党の仕事始め式にも顔を見せました。麻生さんにすれば、自分は直接トランプ氏と会っているから、再びトランプ政権となれば菅さんより自分にアドバンテージがあると考えているでしょう」(自民党関係者)

■岸田前首相が狙うは「キング再び」

 鼻息の荒い人がもう1人いる。外務大臣として歴代最長の4年8カ月の在任期間を誇る岸田文雄前首相(67)だ。カーター国葬の特使として首相経験者の岸田氏も適格者ではあったが、「年末にモルディブで亡くなった参院議員は旧岸田派所属で、岸田さんが葬儀委員長を務めるため、訪米できなかった」(政界関係者)という。

 年度末の新年度予算案の成立時や夏の参院選前に石破政権が不安定化し、「石破降ろし」になる可能性があるが、今年もまた、この3人がキングメーカーとして蠢くのか。岸田前首相についてはキングメーカーどころか、自ら再びキングに返り咲くことを狙っているというのが永田町の共通認識になりつつある。「安倍元首相が再登板できたのだから、私だって」ということらしい。

 古狸の醜い争いにはうんざり。もう3人ともお引き取りいただきたい、というのが多くの有権者の希望ではないか。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    高市自維政権で進む病人・弱者切り捨て…医療費削減ありき「病床11万床潰し」すでに3党合意の非情

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  4. 4

    維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

  5. 5

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  1. 6

    吉村代表は連日“ドヤ顔”、党内にも高揚感漂うが…維新幹部から早くも「連立離脱論」噴出のワケ

  2. 7

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」

  3. 8

    吉村代表こそ「ホント適当なんだな」…衆院議席3分の1が比例復活の維新がゾンビ議員削減と訴える大ボケ

  4. 9

    最終盤の宮城県知事選は仰天の展開! 高市首相応援の現職vs昭恵さん&参政党支援の元自民議員でデッドヒート

  5. 10

    高市新内閣発足 歴史の暗転か超短命か…本性をあらわにした極右政権の正体と今後(前編)

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木麟太郎をドラフト指名する日本プロ球団の勝算…メジャーの評価は“激辛”、セDH制採用も後押し

  2. 2

    日本ハム新庄監督がドラフト会議出席に気乗りしないワケ…ソフトB小久保監督は欠席表明

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    吉村代表こそ「ホント適当なんだな」…衆院議席3分の1が比例復活の維新がゾンビ議員削減と訴える大ボケ

  5. 5

    吉村代表は連日“ドヤ顔”、党内にも高揚感漂うが…維新幹部から早くも「連立離脱論」噴出のワケ

  1. 6

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 7

    ブルージェイズ知将が温めるワールドシリーズ「大谷封じ」の秘策…ドジャース連覇は一筋縄ではいかず

  3. 8

    高市政権は「安倍イタコ政権」か? 防衛費増額、武器輸出三原則無視、社会保障改悪…アベ政治の悪夢復活

  4. 9

    今秋ドラフトは不作!1位指名の事前公表がわずか3球団どまりのウラ側

  5. 10

    亀梨和也気になる体調不良と酒グセ、田中みな実との結婚…旧ジャニーズ退所後の順風満帆に落とし穴