無敵の大統領がまき散らす陰謀論という“毒薬”…米国はいずれ、我々が知る国ではなくなるかもしれない

公開日: 更新日:

 前回2020年の大統領選での敗北を否定したドナルド・トランプがまき散らした陰謀論は、米国社会が飲み込んだ“毒薬”だ。副作用は米国の民主主義をむしばみ続けている。

 共和党候補だったトランプは当時、民主党のジョー・バイデンに敗北したが「民主党による大規模不正があった」とデタラメな主張を展開。これを信じ込んだトランプ支持者らは、21年1月6日、バイデンの勝利認定を阻止するため、ワシントンにある連邦議会を襲撃した。

 警備部隊と衝突し、警察官1人を含む5人が死亡した。事件後1500人以上が訴追され、「死に物狂いで戦うぞ」と議会に向かうよう扇動したトランプも起訴された。以来トランプは一貫して公に負けを認めていない。

 権力者にとって陰謀論ほど便利なものはない。都合の悪い事実は「これは陰謀だ」とラベルを貼った分厚いゴミ袋に入れてしまえばいい。後はうそとはったりが効果を発揮する。

 トランプは今回の選挙で不法移民に甘い民主党を攻撃するため「移民は住宅地からネコとイヌを盗んで食べている」と根拠なく放言、反移民感情が強い支持基盤固めに利用した。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞