コメ高騰と備蓄米叩き売りで進次郎農相・自民農水族・財務省が“焼け太り”…輸入拡大ならトランプ大統領もニンマリか

公開日: 更新日:

倉庫会社も農家も手当て

 あわせて俎上に載っているのが、輸入による備蓄米の補充だ。低温倉庫で保管するため、維持費は年間478億円に上る。バラマキのしわ寄せは倉庫会社に及び、受け取るはずの保管料が1カ月当たり計約4.6億円失われる見通しで、廃業を検討する事業者もいるという。

「農相が進次郎氏に交代後、備蓄米放出の条件としていた政府による買い戻しを撤廃した。新米の買い付け競争は激化し、25年産で手当てする見込みは立たない。それで、MA枠外で米国産カルローズ米を輸入し、備蓄米に充てる案が浮上しています。大量購入すれば値切れるし、倉庫会社の不安も解消できる。むろん、絵を描いているのは財務省です。一方、財政再建派の森山幹事長は、物価高対策として野党が求める消費税減税を突っぱねた見返りに、農家向けの新たな予算をねじ込んだ」(霞が関関係者)

 農水族でもある森山幹事長は党の食料安全保障強化本部長として、5年間で2.5兆円規模の予算を石破首相らに要求。農家の所得向上などを目的とし、通常の農林水産予算とは別建てだ。火事場ドロボーさながらである。

 昨秋の党総裁選で抜け作ぶりをさらした進次郎氏は人気が再燃し、首相のイスを引き寄せつつある。農水族は新予算獲得にほぼ成功し、財務省は消費減税阻止。ついでに言えば、コメの輸入拡大はトランプ米大統領にとってもグッドニュース。これぞ焼け太りだ。

  ◇  ◇  ◇

 備蓄米をめぐる一連の騒動は、さながら“踊る進次郎コメ劇場”だ。関連記事【もっと読む】【さらに読む】で詳しく報じている。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    参政党のあきれるデタラメのゴマカシ連発…本名公表のさや氏も改憲草案ではアウトだった

  3. 3

    参政党「参院選14議席」の衝撃…無関心、自民、れいわから流れた“740万票”のカラクリ

  4. 4

    参政党・神谷宗幣代表「日本人ファースト」どこへ? “小麦忌避”のはずが政治資金でイタリア料理三昧

  5. 5

    自民党を待ち受ける大混乱…石破首相は“針のムシロ”のはずが、SNSでは〈#やめるな〉が急拡大

  1. 6

    参院選中に参政党「排外主義カルト」の実態をマトモに報じなかった大手メディアの生ぬるさ

  2. 7

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」【全編】

  3. 8

    自民党の断末魔が聞こえる…タカ派の高市早苗氏&パワハラ気質の茂木敏充氏「ポスト石破」にまさかの浮上

  4. 9

    参政党の公党にあるまじき「メディア排除」気質…会見場から神奈川新聞の批判記者を締め出し

  5. 10

    玉木代表は会見のらりくらり…国民民主党が“激ヤバ”女性議員の「選挙違反」ウヤムヤ決着を狙うワケ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    上野樹里“ガン無視動画”にネット騒然! 夫・和田唱との笑顔ツーショットの裏のリアルな夫婦仲

  4. 4

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  5. 5

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  1. 6

    松本潤&井上真央の"ワイプ共演"が話題…結婚説と破局説が20年燻り続けた背景と後輩カップルたち

  2. 7

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  3. 8

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 9

    松本潤「19番目のカルテ」の評価で浮き彫りに…「嵐」解散後のビミョーすぎる立ち位置

  5. 10

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ