パレスチナ「国家承認」に石破政権が二の足…背景にチラつくトランプ関税の影

公開日: 更新日:

アメリカの顔色うかがい及び腰

 ガザ住民のジェノサイド(民族浄化)に拍車がかかる恐れがあるのに、日本政府はアメリカの顔色をうかがい、国家承認に及び腰。石破首相は5日の参院予算委員会で「(ガザの状況は)人道上、とても看過できない」「即時停戦と人道危機を解消するために我が国として可能な限りの努力はしていかねばならない」と強調していたが、国家承認に関しては「何が国際社会のためになるのか、よく考えたい」と保留した。

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。

「G7で国家承認に向けた動きが出ている中、日本が共同歩調を取らずにどうするのでしょう。日本政府も他国同様、イスラエルとパレスチナの『2国家解決』をうたうのならば、パレスチナの主権を積極的に認めるのは当然のこと。国家承認に踏み切れないのは、トランプ関税への影響も懸念しているからでしょうが、イギリスのように、イスラエルに対して停戦合意などの条件を提示しつつ、満たさなければ国家承認するという外交カードとして、プレッシャーをかけることだってできるはずです」

 石破首相の言う「可能な限りの努力」はトランプ大統領の尾を踏まない努力ではないか。情けない。

  ◇  ◇  ◇

 年金積立金の運用がイスラエルによるパレスチナ自治区ガザでのジェノサイドに加担している可能性があるという。●関連記事【もっと読む】『イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解』で詳しく報じている。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    高市早苗氏は総裁選“決選投票”にも残らない? 完全裏目の「鹿スピーチ」でまさかの大失速

  2. 2

    高市早苗氏の「外国人が鹿暴行」発言が大炎上! 排外主義煽るトンデモ主張に野党からも批判噴出

  3. 3

    林芳正氏が自民党総裁選“台風の目に”…「2強」失速でまさかの決戦投票進出あるか

  4. 4

    「進次郎隠し」を森山幹事長が画策か? 自民党総裁選いよいよ告示もテレビ討論会激減の不可解

  5. 5

    自民党のグダグダ総裁選に国民は完全ソッポ…アンチさえいないお寒い街頭演説に凋落ぶりあらわ

  1. 6

    林官房長官が総裁選“撃沈”危機…石破首相辞任「必定」発言を謝罪&撤回も後の祭りか

  2. 7

    国民民主・玉木代表が維新の“自民すり寄り”に猛ジェラシー! 総裁選後の「補完勢力」の座めぐり場外乱闘勃発

  3. 8

    自民元議員・和田政宗氏が参政党に露骨なスリ寄り…宮城県知事選で政策協力、過激政策に“偽情報拡散”の懸念

  4. 9

    小泉進次郎が総理・総裁なら「岸田外相」カムバック説…意外と本人はニンマリ

  5. 10

    学歴詐称市長の最終目的は450万円のカネ? 観光客もふるさと納税も失う伊東市民の哀れ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人vs阪神またもドラフト場外戦勃発!1巡目指名8年で5回モロかぶり…中日とヤクルトも参戦か

  2. 2

    叱責、鉄拳、罰金…試練の日々で星野監督よりも「怖かった人」

  3. 3

    ドラフト外入団の憂き目に半ば不貞腐れていたボクを最初に見出してくれたのは山本浩二さんだった

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 5

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  1. 6

    前橋市長の「ラブホ通い詰め」だけじゃない…有名女優らもキャッチされた格安ラブホ不倫劇の舞台裏

  2. 7

    次期巨人監督へ桑田二軍監督が腕まくり! 松井秀喜氏への“つなぎ登板”は球団の思惑とも合致

  3. 8

    林芳正氏が自民党総裁選“台風の目に”…「2強」失速でまさかの決戦投票進出あるか

  4. 9

    国民民主・玉木代表が維新の“自民すり寄り”に猛ジェラシー! 総裁選後の「補完勢力」の座めぐり場外乱闘勃発

  5. 10

    杉田かおるの窮地を陰から支えていた舘ひろしの男気