開示された3回目の「森友文書」で発覚! 財務省「黒塗り」の“お寒い”内情
写真は、左が裁判所に提出された陳述書そのもの。右は提出直前の最終形とみられる。どちらもほぼ同じ内容と思われるが、右は本文が全面黒塗りの「のり弁」、左は本文がすべて開示されている。ところが「のり弁」で唯一明らかにされている池田氏の名前の部分だけ、左では黒塗りになっている。このちぐはぐさは何だろう? 省内で意思統一ができていないとしか思えない。木村市議自身もこの文書を見て「雑な作業ですね」と語った。
■事実確認せず公文書に記載
木村市議が起こしたこの裁判をきっかけに森友事件が世に知られ、安倍政権を揺るがす政治問題へと発展した。財務省にとってはまさに“天敵”だろう。開示文書では至る所で「木村真」と呼び捨てにしている。そして木村市議を「共産党」と記しているのだが、実際は無所属で共産党ではない。近畿財務局の美並義人局長(当時)が「(木村市議の)共産党内での影響力はどの程度なんだろう」と発言したことも記されている。市議会の事務局に聞けばすぐわかる程度の事実確認もせず公文書に記載し、それをもとに財務局のトップが発言する。こんなずさんな組織が日本の財政を動かしていることにぞっとさせられる。
それがわかるのも情報が開示されたから。だからこそ全面開示が原則だ。役所が勝手な判断で黒塗りすることは許されない。