高市首相の訪米に忸怩たる思い…あの振る舞いを読み解く
高市首相は人の意見を聞かず、相談もしないという。かつてなくさまざまな変数を考慮して判断しなければならない、失敗は許されない局面にもかかわらず、その姿勢に変化はない。
となれば、高市首相のトランプとの出合い頭のハグから始まる一連の振る舞いも、意図しての媚びやはしゃぎではなく、極度の緊張の中で飛び出したものと解釈すべきかもしれない。
「平和を構築できるのはドナルドだけ」の名(迷)文句を徹夜で考えたという高市首相。極度の緊張下での睡眠不足に加えて余裕も経験もないのだ。首相を庇うのではない。だが、極限状態に立たされキャパオーバー状態の人間の振る舞いと思えば、むしろ同情したくもなる。
米ニューヨーク・タイムズ紙は高市首相の振る舞いを「自制的」と評価し、自制を失った自国の大統領を批判した。日本国内にも評価する声はある。
確かに、中東への自衛隊派遣を断るには憲法9条を持ち出せばいい、トランプのご機嫌くらい取っておけばいい、それが現実だろう。良くも悪くもこれが日本の置かれている現状なのだ。だが本当にこのままでいいのか。
〈国家が追求すべき価値の問題を考慮しないならば、現実主義は現実追従主義に陥るか、もしくはシニシズムに堕する危険がある〉という、高坂正堯の言葉を今ほどかみしめたい時はない。


















